鹿児島県・奄美群島。温暖・多湿な亜熱帯気候のこの島は、透き通った海、島を覆う新緑の木々や「ハイビスカス」等の南国特有の植物が生い茂り、まるで日本ではないような景色が広がります。「アマミノクロウサギ」等の絶滅危惧種や固有種も多く分布しており、世界自然遺産にも登録されました。そんな現在話題となっている奄美群島は、実は長寿の島としても有名。全国的に見ても90歳以上の方が多く住んでいるこの島に古くから伝わる伝統のお酢「きび酢」が、昨今の健康意識の高まりと共に注目されています。
もう20年近くになりますが、私がこの研究を始めたきっかけは、長寿の島といわれる奄美で、サトウキビを原料とした黒糖が、「薬糖」と呼ばれ食べられていると知ったことです。 さらに調べていくと、奄美では400年も前からサトウキビと天然水のみを原料に、島に浮遊する菌によって自然に発酵するという大変珍しい「きび酢」が作られていることを知りました。 奄美で重宝されているサトウキビを丸ごと発酵させたきび酢は健康維持に役立つだろうと考え、夢中になり研究を進めていくと、きび酢は、ミネラルがたっぷりで、それでいて塩分が少ない、魅力的な健康食だとわかってきました。 一般的に、ミネラルが不足すると、だるさや疲れ、肌荒れなど様々な悩みになり、私は現代病の一種だと考えています。この長寿の島 奄美では、きび酢が家庭で毎日のように登場し、食されていて、これが、島の方々が元気で健康に長生きされている理由ではないかと考えています。 長年研究をしてきた私としては、多くの方にもっとこれを食事の中に取り込んでもらい、より健康な体を作っていただきたい、そんな想いで研究を続けています。きび酢は今後ますます世間での注目度があがっていく、隠れた長寿の食材になると考えています。
九州大学農学博士。同大学農学部助教授を経て、農林水産省に従事。鹿児島女子短期大学教授を歴任し、現在は、マイ食品開発研究所代表を務める。
奄美加計呂麻島でしか生産されていない「きび酢」をご存知ですか。このきび酢には米酢、黒酢に比べて、ミネラル量が圧倒的に多いのです。
ミネラル不足によるだるさ、疲れ、肌荒れや様々な体の悩みは、現代病の直接の原因になります。きび酢はミネラルを補うだけではなく、食事から摂取した栄養を効率よく全身にバランス良く行き渡らせてくれます。日本人にありがちな慢性的なミネラル不足に陥る前に、意識して補いたいものです。
「きび酢」は、長寿の島として有名な奄美大島で日常的に食されています。そのおかげだと思ってますが、この島にはほんとに元気な方が多いんです。実は、私もこの年になっても、バリバリ現役で早朝4時から仕込みをやっているんですよ。
今、昔を振り返ると、きび酢職人になって、もうウン十年たって、今でこそ成分、味、ツヤどれをとっても最高!と自信をもっておすすめできる「きび酢」を作ることができていますが、実は、最初の方は、本当に大変だったんです。 黒酢や米酢などとは違い人工的に酵母や塩などの添加物を一切いれる事なく自然発酵だけに頼って作るもんだから、うまく発酵しなかったり、腐ったりと…。まぁ、普通の人はこんな面倒なことはしたがらないでしょうね。 しかし、私はこの「きび酢」に心底ほれ込んでしまったもんだから、面倒でも無農薬栽培と自然発酵製法でつくると決めていたんです!その甲斐あって、ついにビタミン、ミネラルたっぷりの良質な自慢の「きび酢」ができるようになりました。当時を思い出すと、その出来上がったときは、思わず涙があふれだしてきたほどでした。
今まで、きび酢づくり一筋でやってきて、私にとっては、このきび酢は、長年手塩にかけて育ててきた娘のようなものと、少し大げさでしょうが、でも、本当にそれほど生きていくうえで大切なものなんです。 全国的には、健康的なお酢といえば黒酢のイメージが強いですが、ようやく最近になって、この島だけではなく全国各地で私が作ったきび酢を愛飲される方が増えているときいていますし、テレビでも取り上げられたりしているので、今後はますます愛飲される方が増えていくと思っていて、それが本当に嬉しいんです。 なので、私もまだまだ現役できび酢づくりをしないと、と思って頑張っています。きび酢は、長寿・元気の源だと思っているので、ぜひもっと多くの方に飲んでいただき、健康であり続けてほしいと思っています。
天然醸造酢「きび酢」は、さとうきびの糖水に島の湧き水を加えると、天然の酵母菌などで発酵していきます。そして、2年間の熟成期間を経て黄金の輝きを持つお酢になります。
加計呂麻島で栽培された新鮮なさとうきびを皮ごと圧搾機にかけ、糖水をしぼります。
雑味のない糖水にするため、200度もの高温で一気に煮詰め丁寧にアクや繊維などの不純物を取り除きます。
煮詰めた糖水に島の天然水を絶妙な加減で加えると、加計呂麻島だけに浮遊している酵母菌だけでブクブクと発酵を始めます。
ブクブクと泡をたて発酵する様子は生き物そのもの。これを約2年間じっくり熟成させることで芳醇なきび酢の完成です。
2年の熟成期間を経て、ようやく完成する加計呂麻島のきび酢は400年前から続く製法をたった3つの製糖所が愚直なまでに守り続けています。
【作り方(カップ10個分)】きび酢大さじ1・薄力粉100g・粉末炭酸小さじ2分の1・卵1個・粉末黒砂糖大さじ3・サイコロ切りのさつま芋2分の1を全て混ぜ入れ、蒸し器で約15分蒸す。
【作り方(2人分)】2人前の酢豚の場合は合わせ調味料にきび酢大さじ3杯を入れる。
【作り方(3合分)】きび酢大さじ6・砂糖大さじ3・塩小さじ1と2分の1を合わせる。
【作り方(1人分)】プレーンヨーグルト100gにきび酢大さじ2・ジンジャーシロップ大さじ1。